人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『心中恋の大和路』雪組青年館公演

 この作品は、おそらくK姉妹のお薦めが無ければ行かなかったと思います。お2人は以前やった公演を観ているので、「いい作品だからぜひ」と薦めてくれました。
 で、3人で観劇。

 近松の心中ものと言えば、大昔、蜷川幸雄演出、太一喜和子と平幹二郎の舞台、観たな~。とにかく太一さんが美しく、二人の道行きが切なく美しかった記憶が。

 宝塚は、ショーが大好きってこともあって、心中ものか~…、つらいな…という思いもあったのですが、今回の舞台、すでに観た人からも「いい、泣ける」と言われていました。美涼さんの八右衛門の歌がスゴイと。

 いや~、実は思った以上にずーんと来ちゃって。
何となく抜け出せない状態です。

 蜷川近松の印象と違うのは(勝手な印象ですが)、あれは死をひたすら美しく描いていた印象があるんだけど、今回の宝塚では、「とにかく生きろ!」という美涼さんの言葉にぐっときました。「生きてこそ!」という思いはあったんじゃないかな?

 一幕は、結構笑わせるシーンもあり、壮さんの忠兵衛、ダメダメな男。

 そんなダメダメな忠兵衛なのに、美涼さん(まっつさん)の八衛門は、本当にいいやつ。
あんな目に合わされたのに、ユーモアも忘れず。

 心から友を思えばこそ、なのに、歯車が一つ狂うと、どんどん…。

 もちろん、恋に狂うっていうのもあると思うけど、梅川も忠兵衛も、もう、行き場の無い閉塞感みたいなものもあったのかな?

 私、それでも泣かないつもりだったんです。
2幕の、忠兵衛のお父さんが出てきたところでもうダメでした…。
 
 最後、あの雪のシーンでまっつさんの歌…。あれで泣かない人、いないだろうな。

 普通、大劇場だと、芝居でつらい最後があったとしても、ショーでパーッと明るくなるんですが、そうじゃなくて、全員のカーテンコールも無くて、まるで幽霊のように空ろな壮さんと愛加さんが、忠兵衛と梅川のまま挨拶したのちに、冥途に向かってまた歩いていく、という演出が良かったと思いました。

 あ~、壮さんと愛加さん、退団しちゃうんだな~と、切ない気持ちに。

 愛加さん、割と元気いっぱいな雰囲気があったんで、梅川?と思ったけど、とても良かったです。

そうそう、宝塚って関西出身の人が多いのかな?
だいたい、テレビのドラマとかだと、関西弁が気になったりするんだけど、皆さんとっても自然で、違和感無し。

 思えば、生の和ものは初めてでした。(三部作で一幕踊りのパターンは観た)
 
 まっつさんの青天は、前から「似合う」という話は聞いていましたが、(蘭寿さんがあんみつ姫になったときのまっつさんの股旅姿は、もう、その格好で生活しているかと思われるほどのフィット感)、ぴったりでしたね~。

 以前やったビデオ(VHS)お借りしたので、また見たらご報告します。仁左衛門の娘さん(汐風幸さん)が主役。 HP見ると、初演は1979年で何度か再演している模様。人気作品なんですね。

 すでに涙腺がゆるくなっているのに、明日は花組公演。私的には蘭寿さんラスト公演です。…と思っただけで泣けてくる。
 
by a-takechan | 2014-04-21 23:44 | 宝塚 | Comments(1)
Commented by A子 at 2014-04-24 19:15 x
今日、まっつさんの退団が発表されました。私たちは、まっつさんを観に、「これからも雪組を観よう」と話していたので、ホントにショック(u_u)。先日の舞台が素晴らしかったので、もう、モチベーションをどう保っていいか分かりません。
<< 花組 蘭寿さん退団公演 2回目 DVD鑑賞報告 北翔海莉主演バ... >>